天皇皇后両陛下、「対馬丸」の生存者や遺族と懇談される [ニュース]
今回10回目の沖縄訪問をされた天皇・皇后両陛下。そこには深い思いが込められていた。多くの子どもたち犠牲になった学童疎開船「対馬丸」の悲劇。犠牲者の慰霊碑を訪問し、その後、生存者や遺族と懇談された。
腕に手を添え、タラップを下りられた天皇・皇后両陛下。
1泊2日の沖縄ご訪問を終え、27日午後、羽田空港に到着された。
午前中、両陛下は太平洋戦争中に撃沈された学童疎開「対馬丸」の慰霊碑「小桜の塔」を初めて訪れ、一礼したあと、白い菊の花を供えられた。
戦時中、多くの幼い子どもたちが犠牲となった「対馬丸」の悲劇。
サイパン島が陥落し、沖縄にも戦火の足音が聞こえてきた1944年8月21日。
沖縄での戦闘に備え、住民を疎開させるため、子どもやお年寄りなどを乗せた「対馬丸」は、那覇を出港。
長崎へと向かった。
ところが、鹿児島・悪石島の北西10kmの付近を航行中、アメリカ軍の潜水艦の魚雷が命中し、「対馬丸」は沈没した。
児童780人を含む、1,500人近くが犠牲となった。
当時、天皇陛下は10歳。
同じ世代の子どもたちの悲劇に、両陛下は以前から強い関心を寄せられていた。
1997年に行われた調査で、海底に沈んだ「対馬丸」の撮影に初めて成功したことが報じられると、その直後の会見で、陛下は「私と同じ年代の多くの人々が、その中に含まれており、本当に痛ましいことに感じています」と述べられていた。
「対馬丸」の悲劇から2014年で70年。
両陛下は、犠牲になった児童たちのパネルや遺品などが展示された、対馬丸記念館に初めて足を運ばれた。
その思いについて、フジテレビ社会部宮内庁担当の宮崎千歳記者は「学童疎開を経験して、犠牲者の方たちと同世代である両陛下にとって、『対馬丸の悲劇』は、非常に重いもので、高齢化する生存者や遺族の方に、直接お会いになって、苦労をねぎらいたいという強いお気持ちから、今回実現した訪問だと思います」と語った。
「対馬丸」の生存者や遺族1人ひとりと会話を交わされた両陛下。
陛下は、5日間漂流して助かったという男性に、「よく耐えられましたね」と言葉をかけられ、最後に両陛下は、「これからもどうぞお元気で、安らかにお過ごしください」と声をかけられたという。
今回のご訪問に、生存者や遺族は「われわれに対する思いやりの言葉を陛下からいただくなんて、夢にも思わないから、ありがたく身に染みて感激している」と話した。
両陛下 沖縄訪問、「対馬丸」犠牲者を慰霊 投稿者 dengekinetwork
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